
火災後の解体見積書は、「仮設工事(足場・養生)」「解体工事(手壊し・重機)」「廃材の分別・搬出・処分」「基礎・外構などの撤去」「整地」「諸経費」のまとまりに分けて読むと、何にいくらかかるのかが見えやすくなります。火災後ならではの確認点は、手作業で壊す範囲、燃え殻・廃材の量と運搬先、燃えた家財の扱い、石綿(アスベスト)の事前調査の4つです。
この記事では、火災後の解体見積書に並ぶ項目の見本(ひな形)と、「別途」「一式」と書かれた項目の確かめ方、見積書と一緒に受け取る書類をまとめます。金額の高い安いを比べる前に、何が含まれているかを確かめるための手引きとしてお使いください。
火災後の解体見積書には、どんな項目が並びますか?
多くの見積書は、工事の段取りの順に項目が並びます。項目の名前や分け方は会社によって違いますが、火災後の解体では、おおむね次のような内容になります。
| 区分 | 主な項目の例 | 火災後に確かめたいこと |
|---|---|---|
| 仮設工事 | 養生足場、防炎シート、誘導看板 | 灰の飛散を抑える範囲。道路側に足場を設ける場合の手続き(警察署などへの手続きが必要です) |
| 解体工事(手作業) | 手壊し解体 | もろくなった箇所を手作業で壊す範囲 |
| 解体工事(重機) | 重機による解体 | 重機が入れるかどうか。入れない場合の進め方 |
| 廃材の搬出・処分 | 燃え殻・廃材の分別、搬出、運搬、処分 | 運搬先(自治体のクリーンセンターか、民間の処分場か。廃棄物の種類と自治体の受入れ条件によります)と、運搬の回数の見込み |
| 付帯工事 | 基礎、ブロック塀などの外構、地中の配管やがれきの撤去 | どこまでが見積りに含まれているか |
| 整地 | 整地、周辺の道路の清掃 | 引き渡しのときの土地の状態 |
| 調査 | 石綿(アスベスト)の事前調査 | 調査の費用の扱いと、石綿が見つかった場合の対応 |
| 諸経費 | 現場の管理にかかる費用など | 何が含まれているか |
付帯工事とは、建物本体の解体とは別に行う、塀・地中の配管などの撤去のことです。基礎の撤去を建物本体の解体に含める見積書もあります。諸経費は、現場の管理などにかかる費用をまとめた項目です。どちらも中身が見えにくいので、何が含まれているかを聞いておくと安心です。
当社の料金例は、手壊し解体が1㎡あたり15,000円〜(税込・建物の状況による)、各自治体のクリーンセンターへの運搬が車1台1回8,000円〜(税込)などです。主な作業の料金例は火災解体の費用・お見積りにまとめています。
火災後ならではの項目は、どこを見ればよいですか?
火災後の解体ならではの、金額が変わりやすい点は、手作業の量と、燃え殻・廃材の量です。同じ広さの建物でも、焼け方によって工事の進め方が変わるためです。
手壊し解体の範囲
火災後の建物はもろくなり、倒壊のおそれがあることもあります。危険な箇所は重機ではなく手作業で壊すため、手壊しの範囲が広いほど工程が増えます。見積書では、手壊しと重機による解体がどう分かれているかを確認しましょう。
燃え殻・廃材の量と運搬先
燃え殻や廃材は、分別してから搬出します。量の見込み、運搬先、運搬の回数がどう見積もられているかを確かめておくと、工事の途中で量が増えたときの扱いも話し合いやすくなります。
燃えた家財(火災ごみ)の扱い
建物の中に残った家財などの扱い(受け入れ先や、処分費の減免の有無)は、自治体ごとに異なります。見積書に家財の扱いが含まれているかを確認し、所在地の自治体の案内を確かめたうえで、処分の方法を相談しましょう。
石綿(アスベスト)の事前調査
解体工事の前には、石綿が使われているかを調べる事前調査が法律で義務づけられています。調査を行うのは工事を直接請け負う元請業者で、結果は工事を頼む方(発注者)に書面で説明されます。法律では、発注者も調査の費用を適正に負担するなどして、調査に協力することとされています。見積書で、調査の費用がどこに含まれているかを確認しましょう。
「別途」「一式」と書かれた項目は、どう確かめればよいですか?
「別途」は見積金額に含まれていない費用、「一式」は数量を細かく書かずにまとめた書き方です。どちらも珍しい書き方ではありませんが、何が含まれ、何が含まれないかを契約の前に確かめておくことが大切です。
火災後の解体で、別途や追加の扱いになりやすいのは次のような項目です。
- 地中から想定外のもの(古い基礎、がれき、配管など)が見つかったときの撤去
- 石綿(アスベスト)が見つかったときの対応
- 燃えた家財などの処分
- 見積りの範囲に入っていない外構(ブロック塀、門、カーポートなど)
確かめるときは、次のように聞くと話が具体的になります。
- 「一式」の項目には、どんな作業がどのくらいの量で含まれていますか?
- 別途になる場合、どんな条件で、どのように金額を決めますか?
- 工事の途中で追加の費用が出そうなときは、いつ、どのように説明してもらえますか?
なお、建設業法では、建設業の許可を受けた業者は、工事の種類ごとの材料費や労務費などの内訳と、工程ごとの作業とその準備に必要な日数を書いた見積書をつくるよう努めることとされています。また、注文する方から求めがあれば、契約が成立するまでにその見積書を渡さなければならないと定められています。内訳が分かりにくいときは、遠慮せず説明を求めてかまいません。
見積書と一緒に受け取る書類はありますか?
あります。見積書のほかに、工事の内容を書いた書面での説明や、契約書を受け取ります。火災後の解体で知っておきたいのは次の書類です。
| 書類 | 主な内容 | 受け取る時期 |
|---|---|---|
| 見積書 | 工事の内容と金額、別途になる項目 | ご契約の前 |
| 建設リサイクル法の届出に関する書面 | 一定の規模以上の解体工事では、建物の構造、工事の時期と工程の概要、分別解体の計画などを、工事を直接請け負う業者が書面で説明します | ご契約の前 |
| 契約書 | 一定の規模以上の解体工事では、分別解体の方法や解体工事にかかる費用なども記載します | ご契約のとき |
| 石綿(アスベスト)の事前調査の結果 | 調査の結果を書面で説明します | 着工の前 |
分別解体とは、コンクリートや木材などの建設資材を種類ごとに分けながら解体することです。一定の規模以上の解体工事では、工事を頼む方(発注者)による届出が必要です。届出には期限があるため、進め方も見積りの段階で確認しておきましょう。
当社では、見積りの内容(工事範囲・処分費・別途費用)と、建設リサイクル法の届出に関する事項を書面でご説明し、石綿の事前調査の結果も着工の前に書面でご説明しています。全体の進み方は相談から工事完了までの流れでご確認いただけます。
火災保険の手続きで見積書を使うときは、何に気をつければよいですか?
保険会社に解体費用の扱いを確認するとき、工事の見積書を求められることがあります。必要な書類は、保険の契約や保険会社によって違います。解体や片付けを始める前に、ご加入の保険会社へ確認しましょう。
見積書は、実際に行う工事の内容と金額を書くものです。補償される費用や金額は契約と被害の状況によって異なり、当社が保険金の支払いをお約束することはできません。当社でお手伝いできるのは、お見積書のご用意と、工事内容のご説明までです。保険会社に確認したいことは火災保険・公的支援の確認ガイドにまとめています。
よくある質問
見積りは無料ですか?
ご相談・現地確認・お見積りは無料です。お見積りの依頼だけで契約が成立することはありません。内容をご確認いただき、ご納得いただいてからご契約へ進みます。
現地を見なくても見積りは出せますか?
費用の考え方はご案内できますが、正式なお見積りには、建物の損傷や構造、作業環境、廃材の量などの確認が必要です。写真や所在地など、分かる情報からご相談いただけます。写真は、WEBフォームへの添付やLINEでお送りいただけます。消防・警察の火災原因調査が終わるまでは現場に立ち入らないでください。撮影は、立ち入ってよいかを消防署に確認してから、安全な場所で撮れる範囲で結構です(火災後、解体までにすること)。
見積りのあとで金額が変わることはありますか?
地中から想定外のものが見つかった場合などに、追加の費用が出ることがあります。どんな条件で追加になるのかを、ご契約の前に見積書で確認しておきましょう。
見積書は、工事の中身を確かめるための大切な書類です。分からない項目があれば、そのままにせず聞いてみてください。当社でも、ご契約の前に見積りの内容をご説明しています。お電話・LINE・WEBフォームから、ご相談・現地確認・お見積りを無料で承っています。